結露と屋根断熱について/屋根葺き替えで快適に過ごすために

怖い屋根、天井裏の結露/屋根断熱

屋根裏の結露&カビ、苔の様子

屋根葺き替えのときにできればチェックして欲しいのが、天井裏、屋根の中身です。上の写真はいずれも結露による、カビの繁殖です。 屋根の下地材を白くしているのが、カビです。このままカビを放置すると、つまり湿度の高いままこのままにすると、木部分は腐っていき、骨組みの垂木が強度を失い、屋根が落ちてしまいます。もう既にかなりの部分を交換しないといけない状況です。左側は、垂木はもちろん梁も交換です。 こうなるのはもちろん湿気が原因ですが、その湿気はどこからくるのでしょうか?・・・下を読んでください。


結露は、湿った暖気が冷たいところに触れると、含まれる水蒸気が冷やされて水滴になる現象を言います。この水滴が後日乾燥すれば問題ないのですが、換気が悪く風通しのない環境ですと、いつまでも滞留し、微生物を繁殖させ、木部を腐食させます。それは1年で何回も繰り返され、または冬の暖房をする季節では毎日水分が補給されて、木部の腐食を早くします。屋根の内部の風通しを良くしない限りこの悪の連鎖は続き、1年、3年と放置すると、柱、梁などが腐って強度を失い、やがて家が傾きます。

しかし、その時間はかなり長く、1、2週間、1ヶ月程度では起こりません。こんなことは建築屋さんなら常識で、その対策がなされていない家があることが不思議なくらいです。でもあるんですね!家の換気を考えないで設計をしてしまうこと。

通気穴軒天&通気口

木造家屋で天井があり、天井裏がある家は、必ず換気用の穴があります。外からみると飾りがありますが、屋根裏から空気を逃がす隙間が空いています。または、軒先の材料を通気のあるもの、例えば穴あきの材料で施工します。一見なんでこんな穴ボコの材料を使うのか?その意味が分からない方がほとんどなのですが、このことは重要です。

棟、屋根のてっぺんには、換気棟を取り付けますし、瓦の屋根であれば換気棟は施工できないので、屋根と天井との間に換気穴を使います。湿った暖気は軽いので、一番てっぺんの換から抜けるようになっています。この換気棟は、外からは雨が侵入しないようになっていて、内側からの空気は流れて行くように作られています。



結露とは?/結露の仕組み/屋根構造に由来する不具合

◆屋根の構造は、下から基本的には3層構造になっています。
  1層目: コンパネ(昔は野地板、合板、下地材も言う)
  2層目: 防水シート(下葺き材とも言う)商品名は、アスファルトルーフィングとかゴムアスなど
  3層目: 屋根材(仕上げ材とも言う)一番上の屋根材。
       瓦、スレート、ガルバリウム鋼板などの屋根材

   普通の家の屋根はこの3層の基本構造になっているはずです。

結露の仕組み図解

結露ができる仕組み

結露は、温度差のあるところに湿った暖気があるとできものです。 図1では、例えば冬、暖房の湿った暖気が、天井を抜け部屋から小屋裏にあがり、防水シートまできます。防水シートは、空気を水分を通さないのでここで冷やされた屋根材、防水シートに出会い、コンパネ上に水滴ができます。これが結露です。

結露は、木材であるコンパネを加水分解し、悪いとカビ、微生物によって腐敗が始まります。コンパネが柔らかくなり、やがて屋根材を支えきれなくなります。雨漏りの原因にもなりえます屋根材からの雨漏りと思っていたが、調べてみるとこの結露だったということもあります。結露が溜り、天井にしずくが落ちて雨漏りのように天井を濡らします。




結露防止の対策

結露を防止する方法は、3つ
   1: 湿った暖気を逃がす。 小屋裏に暖気を滞留させない
   2: 屋根材に近いところで断熱し冷えた屋根材と暖気を遮断する
   3: 暖気を小屋裏に入れない



主にこの3つですが、これらすべてを施工すると完璧な結露対策です。しかし、根本的な対策は、暖気を小屋裏にいれない、入ったら必ず暖気を屋外に出すといった方法が最も効果のある方法です。ですからまず、費用のあまりかからない1の方法である換気棟をつくり、小屋裏に入ってしまった湿った暖気を逃がすことです。換気棟は私は必須と思っています。屋根葺き替え時には重要なことになります。

そして天井で暖気をシャットアウトする天井断熱方法です。これは屋根の施工の後からでも施工ができますので、お金はかかりますが(¥2500/㎡ぐらい)かなり効果のある方法です。天井で断熱すると、小屋裏(天井裏)は、部屋と遮断され換気口があると、外気と同じ環境(温度・湿度)になり、屋根面での内と外で温度差・湿度差がほぼなくなりますので、結露は発生しません。また壁、柱の隙間から天井裏に入り込んだ湿った暖気が漏れてきても、換気口から逃がしてやることができます。

天井断熱の構図

断熱の為の方法なのですが、結露については、断熱というよりは、部屋の暖気を屋根に行かせない対策の意味合いが大きいです。冬、暖房をした温かい湿った空気を天井でシャットアウトすることで、屋根裏の結露を防ぐ根本的な解決方法になります。この際、断熱材は水分を吸収し、換気によって後日その湿気を乾燥させる機能を持っていないと、結露の防止には不十分です。


何故なら、断熱材が水分を吸収しないと、水分は天井と断熱材との間で滞留し、天井を腐らせるという問題があるからです。屋根裏は結露しませんが、天井裏で結露する、または天井材に水滴を残すのです。


調湿機能のある断熱材/セルロースファイバー

結露を防止する仕組みは理解できたと思います。では、具体的にどの断熱材が良いのか?これは難しい問題です。家の説明では、天井に敷いた断熱材自身が、湿気を防ぐのはよいのですが、天井そのものを濡らして、天井材料を腐食させるのでは本末転倒です。ですからこの天井に施工する断熱材は部屋からの湿気を吸って、乾いた環境ではその湿気を乾燥する、水分を吐き出さないといけません。これを調湿機能といいます。


断熱材の調湿機能とは、周りの湿度が高いときには、湿気を吸って、湿度が低くなったら、水分を放出する機能のことです。できればこの保湿の容量は大きいほど良いです。



セルロースファイバーとは?

セルロースファイバー

新聞紙をリサイクルした木質繊維系断熱材です。新聞紙は木材から作られ、その新聞紙がセルロースファイバーになります。木の繊維は加工されても残っており、木材の繊維はセルロースファイバーの中で生きています。そしてその繊維は呼吸をし、調湿機能としてセルロースファイバーの主要な働きでもあるのです。



セルロースファイバーの天井施工の様子

日本で非常に良く使われるグラスウールですが、これは化学物質なのでセルロースファイバーのような調湿機能は持っていません。ここで期待するのは、暖房で暖められた湿気のある空気が天井にあがり、天井を抜けて屋根の裏側(内側)で屋根の冷たくなったものと出会い、水滴になるおを防いでもらうのが目的です。

セルロースファイバーと換気穴、換気棟の働きです。セルロースファイバーは天井の裏での断熱効果を発揮します。 湿気を含んだ空気は部屋から天井に上がりセルロースファイバーで調湿させます。含みきれない湿気、水蒸気は屋根裏へいきますが、棟換気、換気穴から抜けます。この棟換気や換気穴があっても、断熱効果は変わりません。なぜなら天井にしっかりと断熱材があるからです。


グラスウールだと隙間が空いているので、断熱効果が軽減し、かつ調湿機能がありませんので天井の材料を濡らしてしまうかもしれません。グラスウールは袋状ですので、袋との間に隙間ができ、またグラスウールは湿気によって縮みますので更に隙間があくことになります。




参考:

屋根断熱、コロニアルとガルバリウム鋼板/その断熱効果は?

小屋裏に結露させないもう一つの方法は、屋根断熱です。湿った暖気を冷ますのは、外気で、その外気が出会うのは屋根裏になります。ですから屋根を断熱して屋根の裏側に水滴が付かないようにすれば結露は防げます。

また断熱は夏の暑さ対策に良く聞かれるこうとで、お客様はいろいろ先入観で実際とは違ったことを信じています。例えば、コロニアル、スレート屋根の材料の厚さが5mm程度なので、これを撤去してガルバリウム鋼板のみにしたとき、金属でもあり、かなり暑くなると思っています。私もコロニアル、カラーベストよりガルバリウム鋼板のほうが夏の暑さは厳しくなるのではないかと思っていました。下のコロニアルとガルバリウム鋼板の室内温度の比較を見てください。



コロニアルとガルバリウム鋼板断熱性能

このグラフは、断熱効果テスト用のBOX(1m X 1m X 1.3m Hight)の中に電子温度計を入れて朝から夕方までの温度を計測したものです。黒のグラフはコロニアル(KMEWのコロニアル・グラッサ)、緑のグラフは断熱材のないガルバリウム鋼板屋根材の温度変化、青は気温になります。

BOX内の温度は、コロニアル、ガルバリウム鋼板とも50度近くまで上昇し、かなり暑い環境になりましたが、予想に反して僅かですが、ガルバリウム鋼板のほうが温度が低い結果になりました。同じBOXの条件で実行した断熱性能試験ですが、コロニアルのほうが低い温度になるのでは?と思っていましたので、これは意外な結果です。

確認の為もう一度違う日に実験をやりましたが、同じ結果です。コロニアルは思ったほど断熱性能は良くないです。ガルバリウム鋼板にも僅かですが劣りました。これで言えることは、コロニアルを撤去してガルバリウム鋼板にしても、そうそうは悪い環境にならないと言えそうです。夏はガルバリウム鋼板にしてもコロニアルのときとそんなに変わらないです。



以上になります。





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